紫外線という難点
紫外線は肌の表面にある保護層にダメージを与え、肌を乾燥する原因を作ります。
<紫外線による肌へのダメージ>
魅力的な小麦色の肌。肌は紫外線を浴びるとメラニンを生成し、肌を小麦色にします。これは体内が肌にダメージを受けないようにするための防御反応。
それが過剰に起こることによってシミなどの色素沈着の原因に。
シミは10~20年経ってから肌の表面に現れます。肌の老化の原因は年齢よりも紫外線などの影響によるところが大きいのです。
メラニン色素が蓄積されてると、皮膚がん細胞(メラノーマ)となります。乾燥したお肌は、潤いを与えるだけでなく紫外線からのダメージを早く回復させる必要があります。
日頃から紫外線の予防とダメージケアの両方が、潤いある肌を保つために大切なことなのです。
また長い時間日光に当たると、体はこれに対抗するためにエネルギー代謝を活発にします。これは体力を奪い疲れを感じやすくしてしまいます。
骨を育て、体を丈夫にするビタミンD
日光には体内にビタミンDを生成させる働きがあります。
骨量を保ち、骨粗鬆症を防ぐためにビタミンDは不可欠なのです。
ビタミンDが足りないと、成長段階の子どもではX脚やO脚になったり、歯や下あごがぐらついたりといったような、骨の成長障害が生じるといわれています。
大人は骨軟化症(骨が変形したりする病気)になってしまう恐れがあります。
ほかにもビタミンDには、筋肉を維持したり、免疫力を増強したりする働きがあることがわかっています。最近の研究では肝臓がん、肺がん、乳がん、前立腺がんなど、さまざまながんに対する予防効果があると言われています。
厚生労働省の調査によると、食品からとるビタミンDの必要量の目安は5.5µg程度。それに対して、1日に必要なビタミンDの量は15µg以上とされ、足りない10µgのビタミンDは、太陽光線を浴びて体内で生成する必要があります。
体内時計をリセットするメラトニン
日光浴をしないと、メラトニンとセロトニンというホルモンの分泌に問題が生じる恐れがあります。
起床後、太陽光に当たり、食事をすることで体内時計がリセットされます。日光に当たらないと正常なら夜に分泌されるメラトニンという睡眠を促すホルモンが、理想的な時間に分泌されなくなってしまいます。
メラトニンの減少は風邪をひきやすくなったり、疲れやすくなってしまうという免疫力低下や体の回復機能や新陳代謝機能の低下を引き起こします。
ストレスから身を守るセロトニン
太陽の光を浴びると、セロトニンという物質が体内で分泌されるといわれています。
セロトニンとは「幸せホルモン」とも言われ、うつ病の人に不足しがちだとされる神経伝達物質のひとつで、ドーパミンやノルアドレナリンなど感情を整える働きをします。
日頃の生活のストレスからストレスホルモンが増えすぎないように調整するのもセロトニンです。また、自律神経の安定性にも関係しており、老化の防止にもつながっています。
冬季に日照時間が極端に短い、フィンランド、スウェーデンなど北欧諸国では冬季うつ病の発症率は高くなって、これは人が日光に当たる時間が関係していると考えられています。